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「西須崎坊 蔵屋」には、名字から来た屋号の「西須崎」のほかにもう一つ、「上(うえ)」という屋号があるそうです。数ある宿坊の中でも最も高いところにあるため、そう呼ばれるようになったらしいとのこと。
蔵屋からの眺めはとても素晴らしいもの!
「天空風呂」と名付けられたお風呂からの夜の景色は特に自慢で、晴れて空気が澄んだ日であれば、関東平野を遠くまで連なる光のパノラマが望めます。天空風呂と同様の景色が眺められる部屋もあり、朝焼けも見逃せません。御岳山ならではの、心洗われるような景色をご覧になってみてください。
蔵屋では日帰り入浴はできないので、この絶景は宿泊客の特権です。浴室は大小2つ。入浴時間は15:00~22:00、朝は6:00~10:00です。たっぷり癒されてください。
宿泊時、一棟貸し切りでの利用が可能です。
また宿泊当日、チェックイン前およびチェックアウト後の時間に荷物を預かっていただけるので、山歩きや武蔵御嶽神社への参拝の際にはありがたいですね。
「御岳山にはこの地でしか味わえない静かさがあります。食事についても、ここでしか味わえないものを味わっていただきたいので、ここで採れたものできちっと作った料理をお出しするようにしています」と、若主人の茂樹(しげき)さん。御岳山のすべての宿坊と同様に、蔵屋でもお料理はお宿の自慢です。
蔵屋の厨房は、女将の通子(みちこ)さんと若女将の紀子(のりこ)さんが取り仕切っています。
「お料理は全部、手作りです。温かいものは温かいうちにお出しするようにしています。場所が不便なだけに、来ていただける方には、できる限りのおもてなしをしたいと思っています」と紀子さんはいいます。
夕飯は会席風の仕立てで、旬の食材を使った品が十品以上出てきます。お味もボリュームも十分な食べ応えで、満足感たっぷりです。
一夜明けての朝食は、お膳の上に日本のお宿の朝食が並びます。品数も多く、いずれの味付けも絶妙です。朝からしっかり、ご飯をおかわりしてしまうこと、請け合いです。
チェックアウト後の山歩き用に、おにぎりやお弁当をお願いすることもできます。前日までに予約しておきましょう。
日帰りで、御岳山の昼食や喫茶を楽しみたいというかたにも、蔵屋はお薦めです。釜飯セットや数種類のお蕎麦メニューが用意されています。手作りの刺身こんにゃくや山椒の佃煮などといった一品料理もとても美味しいです。
ランチ
お食事 「釜飯セット」¥1,980 /「季節の天ざる蕎麦」¥1,650 など
一品料理 「刺身こんにゃく」¥550 / 「山椒の佃煮」 ¥330 など
デザート 「手作り田舎しるこ」¥715 /「茶せんコーヒーとおやきセット」¥550 など
そして、決して忘れてはならないのが、蔵屋の名物になっている「おやき」です。
「おやきは、女将でないとこの味が作れないおやつです。添加物などは一切入れていないため、作り置きが難しいので、ご予約をいただけるとよいかと思います」(茂樹さん)
コーヒーをお抹茶風に泡立てられたとてもユニークな「茶せんコーヒー」と一緒にお召し上がりになってみてはいかがですか。
※料理内容は季節により変わります
蔵屋では、宿の中のあちこちで美術品や骨董品、有名な方から贈られたという作品などを目にすることができて、あたかも博物館のような趣です。
美術品などの多くは、当主の須崎裕(ゆたか)さんのご趣味とのこと。また、女将の通子さんの収集による土鈴(どれい)のコレクションも、場を和やかにしてくれていて、特に女性のお客さまには好評なのだそうです。
御岳山宿坊の中でも一番高く標高900m近い場所にある蔵屋さんですが、そんな山上とは思えないほどお手洗いが水洗式でとても綺麗!
実は御岳山は下水道がまだ整っていないので、各世帯ごとに浄化槽を設置してはじめて快適な水洗トイレが実現できるのです。
蔵屋当主の須崎裕さんは、現在武蔵御嶽神社の宮司を務めています。息子さんの須崎茂樹さんも御師であり、いろいろな話を伺いました。
「神道って、神の道って書きますよね。宗教というよりは、武道とか華道とかとおんなじで、神様の前で道を究めることなんですよね。
神社の中に入ると鏡がありますよね。「鏡」って「が(我)」を取ると「神」になるでしょ。善と悪は誰の中にもあって、神様の前でどれだけ善となれるかなんです。
"お宮参り"といいますけれど、「お宮」ってね、女性の子宮のことなんですよ。神社の参道は、「産道」。
だから「お宮参り」というのは、自分が生まれたところに還っていって、命をもらったことに感謝することなんですね。」
御師さんから語られるのは、知らなかったことばかり。神道は日本独自の民族宗教であり文化でもあるのに、ほとんどの日本人は忘れかけている現代社会です。
宿坊に泊まると、こうしたお話もゆっくりと伺うことができますので、ぜひ御師さんにお声をかけてみてください。
宿泊料金(1泊2食付き)
大人 ¥10,450~(平日2名利用時)※お部屋、季節等により変わります
子ども 要問い合わせ(繁忙期等、小学生以下の宿泊はお断りの場合あり)
素泊まり
¥5,000~
乳幼児連れ情報
離乳食持ち込みOK / 子供用椅子あり / ベビーベッド無し
設備
TV / エアコン / ファンヒーター / 金庫 / お茶セット / 湯沸かしポット / ドライヤー(貸し出し) / Wi-Fi(本館のみ対応/離れと、本館でも部屋によっては電波が届かない場合があります)
アメニティ
浴衣 / バスタオル / タオル / ハミガキセット
浴室
ボディーソープ / シャンプー / リンス・コンディショナー / ドライヤー
※その他のアメニティについては、お問い合わせください
西須崎坊 蔵屋 基本情報
住所 | 東京都青梅市御岳山142 |
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ケーブルカー御岳山駅から | 徒歩15分 |
電話 | 0428-78-8473 |
チェックイン | 15:00 |
チェックアウト | 10:00 |
宿泊可能人数 | 2名からOK |
現地でのお支払い | 現金 / PayPay |
予約方法 | 電話 公式サイト |
※掲載内容は変更の可能性があります。(2021年8月 現在)
執筆者:村野公一(むらのきみかず)
ニックネーム:Moose(ムース)
よろず企画ごと引き受け業、イベント等の制作・演出業、そして、もの書き業と講師業、しています。我が町・青梅のよい情報をいろいろな形で発信するおへんなし集団「NPO青梅まちづくりネットワーク」の代表理事や、贈答品・古美術品などを扱う「貴宝商事」の代表もしています。青梅とその周辺をうろうろしながら、いろいろなこと、やっています。そうそう、音楽が好きで、ピアノも弾いています。祭りも好きで、お囃子と江戸研究もやっています。……っと、そんな感じです。
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