ロイヤルセラピスト協会認定講師、看護師
中野 真緒
「汗っかきで、あせもができないか心配」
「毎年、夏になるとあせもができる」
「あせもが悪化してとびひになり、プールに入れない」
と、この時期は多くのママが悩まれると思います。
皆さんも子育てする中でお子さんの肌トラブルを1度は経験されているのではないでしょうか?
でも大丈夫!「意外と簡単な工夫」で、お子さんのあせもを予防できるのです。
今回は夏に多い肌トラブル「あせも」について詳しく書かせていただきたいと思います。
人の皮膚には汗腺という汗を分泌する器官があります。汗腺で分泌された汗は汗管(汗の通り道)を通って皮膚の表面にでてきます。人の体は高温多湿の環境や運動により体内に熱がこもると汗が分泌され、気化熱によって体内の熱を下げ体温を調節しようとします。
しかし、大量の発汗により、この機能が上手く働かず汗管が詰まることであせもができてしまいます。その多くは赤いあせもで水を含んだ小さなポツポツが急速にたくさんできます。なかには中心に小さな膿をもつ場合もあります。
皆さんもご存知の通り、子どもは汗っかきです。実は汗腺の数は決まっており大人になっても増減しません。つまり赤ちゃんも大人も同じ数の汗腺をもっています。そのため皮膚の面積で比べてみると大人よりも汗の出口の密度が高いので、子どもはあせもができやすい状態と言えるのです。
また近年では温暖化に伴い、夏になると40度を超える猛暑となることも珍しくありません。このような近年の環境の変化はあせもの発生を助長させているとも言えます。
①汗を過剰にかかせない
まずはエアコンを上手に使いましょう。設定温度は25度前後とし、過度に汗をかかせないことが大切です。そして通気性がよく肌触りの良い服、汗を吸収しやすい服を選びましょう。室内で過ごす場合は綿100%の肌着やTシャツがおすすめです。タンクトップは服の構造上、脇の汗を吸収しにくいのであまりおすすめはしません。オムツはこまめに換え、蒸れを防ぐことも大切です。子どもは大人より体温が高いので、服は大人よりも一枚少なくするよう普段から心がけましょう。
②汗をかいた後の適切なケア
汗をかいた場合は可能ならシャワーを浴びましょう。皮膚を清潔に保つことは、とても大切です。そしてシャワーを浴びたら忘れずに保湿もしましょう。こまめに着替えたり、オムツを変えることも有効です。
屋外にいてシャワーができない場合は、濡れタオルや体用のウェットティッシュなどでこまめに優しくふき取りましょう。乾いたタオルより濡れたもので汗をふき取る方が肌の表面温度が下がります。体内から熱を逃がすことで熱中症対策にもなりますので、この夏は試してみてください。
屋外で遊ぶ際や運動など汗をたくさんかくときはポリエステル素材のものや、綿とポリエステルの混紡素材のものを選ぶと良いでしょう。綿は肌触りが良く吸水性も良いですが汗をたくさんかいた後はじっとりしていて、着心地はあまりよくありません。
こまめに着替えができない屋外であれば前述したようにポリエステル素材や、綿とポリエステルの混紡素材が良いでしょう。綿のような柔らかさは欠けるものの、汗をかいた後はすぐに乾きサラッとしています。
化学繊維自体は汗を吸いませんが生地全体が汗を吸収する仕組み(編み方)になっています。人によっては化学繊維が肌に合わず天然繊維のものしか着用できない方もいますが、お肌に合えば、運動するときはポリエステルが入った服も試してみてください。
普段からママもお子さんも爪は短くきり、清潔を保つように心がけてください。あせもは痒みを伴う場合がありますので、汚れた手や長い爪でお肌を傷つけてしまうとバイ菌が入ってしまうので注意が必要です。
もし、あせもができてしまったら患部をキレイに洗い湯舟には入らず、シャワーで済ませましょう。体が温まると痒みが増強してしまいます。また、患部がジクジクしている場合もキレイに洗い、シャワーで流した後は触らないように絆創膏やガーゼで保護し、早めに皮膚科や小児科に受診してください。あせもは数日で治る場合もありますが、なかなか治らないこともあります。悪化する前に受診し、早めに治してあげることが大切です。
そしてお子さんのお肌の状態はできるだけ毎日観察しましょう。意識して毎日観察することでお子さんの些細なお肌の変化にも気づくことができるようになります。
今回ご紹介した正しい方法でお子さんのあせもを予防し、残りの夏を楽しく過ごしていただけたらと思います。
執筆:nocoto 中野真緒
経歴:看護師をしながらロイヤルセラピスト協会認定講師として、ベビーマッサージ・ベビースキンケア教室を開催中。タッチケアスペシャリストとして活動し、青梅市内を中心に妊娠期から産後まで長く安心して通える教室を開催しています。
長男5歳、長女2歳の子育てに奮闘しながら毎日楽しくお仕事をさせてもらっています。
好きなこと:赤ちゃんをみること。ママの話を聞くこと。
好きな時間:寝ているとき。コーヒーを飲みながらテレビをみているとき。