ママとこども専門コーチ 原島真理
皆さんはイライラをどうしたらいいんだろう…と途方にくれることはありませんか?
きっと誰もが、できるだけニコニコしているママでありたいし、心穏やかに子育てしたいのが理想。けれども毎日思い通りにいかない日常に言葉も荒くなったり、感情をコントロールできず自己嫌悪に陥ってしまうママは多いのではないでしょうか。
私は10年以上保育士をしながら小1の息子と年中の娘を育てています。保育士と聞くと「子育てやこどもに関してのプロ」と思われる方も多くいらっしゃるかと思います。実際に出産するまでもしてからも「保育士さんだったからなんでもわかるよね!」「こどものことは慣れているよね。」と周りからは言われていたし、自分でもある程度育児に関して自信はあったのです。
しかし実際始まった子育てではおっぱいのことに始まり、夜泣き、偏食、こだわりの強さ…当たり前ですが「初めて」の連続でした。多くのお母さんたちと同じように目の前で起きる出来事に一喜一憂してきました。持ち前の不器用さも相まって、次第に「保育士をしてきたけど、子育てがうまくできない自分」「優しくいたいのに、家族にもイライラしてしまう自分」→「周りのママと比べて何にもできない自分」を自分自身でつくりあげていました。
自己肯定感、と呼ばれるものがどんどん下がっていった時期でもありました。
そんな私が大きく変わることができたきっかけがコーチングとの出会いでした。
正確にいえば、自分自身が変わった訳ではなく、『見える世界が変わった』のです。
コーチングを知る前は、「もしかして1日中ずっとイライラしているかも⁉」と思うくらい、「ゴキゲンに過ごす」ということを忘れていましたが、コーチングを生活に取り入れる中でイライラすること自体がぐっと減ってきました。
今回は私が毎日イライラしていた魔の夕方の時間を例に、コーチング式『思考の整理の仕方』をご紹介します。
それは、仕事が終わったその足でそのまま子どもたちを幼稚園のお迎えに行き、我が家に着いた瞬間から始まります…。
「お母さん、おなかすいたー」
「今日のおやつなにー?」
このこどもたちの声が始まると、私のイライラタイムのスタート!!この時、私の脳内&実際に出てきてしまう言葉たちはこんなことでした。
「もー、お弁当食べてきたでしょ⁉なんでそんなにお腹が空くの~⁉」
「お弁当箱、洗うの面倒くさいな…。」
「洗濯物、取り込まなくちゃ…。」
「夜ご飯、何作ろう…。」
「コーヒー飲みたいけど、あとででいいか…。」
「折り紙一緒に折ろう⁉えー、今⁉」
「…なんでうちはすぐ散らかるんだろう。」
「あーーー、疲れたー!!」
こんな思いが一気に押し寄せる、仕事を 終えてからのお迎え後の気持ちがなかなか変えられませんでした。本当はゆっくり今日あったことを話しながら、楽しくおやつを食べたりしたいのに。こんな状況も、コーチングのスキルを使うと思考が整理できます。
【①私は疲れている、と認める。】
私は疲れた!と思っているのに「もっと働いている人もいるのだから、疲れたなんて思ってはいけない」と感じていました。でも事実は「疲れた」と思っている。
ここは自分の気持ちをまず受けとめてあげましょう。
【②子どもたちはお腹がすいている、と認める。】
うちの子たちは幼稚園なのでおやつは出ません。お迎え後はちょうどお腹もすく頃なのですよね。ここも事実を受け止めましょう。
【①②の事実を受け止めた自分の気持ちを感じる。】
思いのままに「お腹すいた!」「おやつ食べたい!」
と言える子どもたちに、私の中で羨ましい気持ちもあったように思います。自分も子どもたちと同じ様にちょっと気持を緩めたい、「ひと休みしたい」という気持ちが出てきました。
ステップを踏んでみると、私は「ただひと休みしたかった」のです。じゃあ、私にとってのひと休みって何だろう?
ここまで考えて私の中から出てきた答えは…
「大好きなコーヒーをゆっくり飲みたい!」でした。
イライラしていた時のつぶやきに「コーヒー飲みたいけど、後ででいいかな…」というものがありましたが、本当は後回しにしたくなかったのですね。
そうか、私は仕事からお迎えして帰ったら、大好きなコーヒーを飲んでひとやすみしたいんだ!
言いたくない言葉を子どもたちにかけながら、家事を片付けようとしていた私の願いは、やろうと思えば簡単に叶えられたのに後回しにしていたことでした。
そう気が付いてからは、子どもたちと一緒に私も一息ついてから、家事や片付けをするようにしています。
今まで気になっていた家事についても一歩引いてみるとどれも急いでやらなくても平気なことでした。 なのに自分の決めつけや思い込みで頭がいっぱいで、帰った瞬間からのイライラMAX!に繋がっていたのですね。
思考の整理の仕方、いかがでしたか?
イライラや怒りは、起こった出来事に対して私達の中で起きている反応です。「自分の本当に叶えたい」気持ちの裏返しと言われています。つまり、その本当の願いを叶えてあげれば、私たちの中で反応が起こらないというわけです。
コーチングではその本当の気持ちに気が付けるように、「対自分」とのコミュニケーションも深めていくことができます。この思考の整理にはコツが必要なので、慣れるまではコーチがナビゲーションしていきます。
まだまだ認知度の低いコーチングですが、誰もが使っているコミュニケーションの学問です。コーチングの学びをし、自分自身との対話を重ねていくことで家族との関係はもちろん、今の自分を認めつつ前向きに物事をみることができるようになって、わたし自身育児がとても楽になりました。
これはたくさんの人にぜひ知ってもらいたい!私のように子育てに悩んでいるママたちへ、保育士とは違うかたちでもお役に立てたら…そんな気持ちからコーチの活動を始めています。
気になる方はお気軽に、コーチングに触れてみてくださいね!
執筆:原島 真理
青梅市在住。小1と年中の2児の母。こどもの笑顔はママの幸せから生まれるものと保育士と自身の子育てで痛感。コーチとしてコミュニケーション講座の開催、個別セッションを行っている。