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能保利(のぼり)は江戸時代後期に創業した150年以上の歴史ある宿坊です。
かつて茅葺き屋根だった建物は2010年に改築されていますが、玄関まわりは創業当時のものを残し、歴史と風格を醸し出しています。
能保利のお料理は、ここでしか味わえない山の恵みがたっぷりと。ひと手間もふた手間もかけ、素材の持ち味を生かした味付けを大事にしています。素材の持ち味を活かすことにこだわっているのは、素材そのものがおいしいから。
お米は講の方が能保利のために特別に作り奉納されたもの。
山菜の季節には御岳山から採ってきて、それを加工・保存し、長く春の味を楽しめるように工夫されています。
野菜は御岳山の斜面の畑で丹精込めて育てられています。太陽が近くて、空気も清く冷涼、落ち葉や糠など自然由来の堆肥を使った有機農法で育てられた美味しい野菜です。
夏ならピーマン・茄子・きゅうり・ししとう・ズッキーニ、他にもキャベツ・じゃがいも・人参・大根・山芋・ネギ・のらぼう等、四季を通してありとあらゆる野菜をつくっています。御岳山名物コンニャクも芋から育てて、その都度作りたてを用意しています。
夕食に添えられる食前酒も自家製。季節によってカリン酒や梅酒、柚子酒など、旬の恵みが凝縮された滋味あふれる一杯です。趣向をこらした美しい盛り付けと繊細な味付けの品々、食事のペースにあわせて出来立てのものが出てくる細やかさ。こんなに山奥の宿坊で、思いがけない贅沢な時間です。
御岳山では川魚の塩焼きが定番ですが、能保利では朴の葉で包んだ朴葉焼きにします。味噌と一緒に焼き上げることで身もしっとりと香ばしい人気の逸品です。
御岳山の宿坊はみんなで料理を磨いてきたとご主人の久保田さんはいいます。
「昭和の初め頃までは、信仰の山なので宿坊の料理は精進料理でした。ケーブルカーができて観光地になり、一般のお客様が増えてきましたので、精進料理だけではなくなっていきました。能保利の料理は母が主に作っていますが、御岳山が最盛期だった頃に各宿坊の人たちが集まって、勉強会を開いて料理を磨いてきました。そうやって今の能保利の料理が確立したんです。」
※料理内容は季節により変わります
御岳山の豊かな自然に囲まれた能保利では、常に鳥のさえずりや木の葉が風にそよぐ音が届きます。部屋に居ながらにして森林浴をしているかのよう。
東向きの窓からは朝陽が差し込み、冷涼なマイナスイオンを浴びてすっきりと目覚めます。
掃除の行き届いた清潔な館内は宿泊予約サイト等でも高評価です。改装した部屋には洗面所とトイレや冷蔵庫もあり充実した設備。お部屋には御岳山の昔話が書かれた冊子が置かれており、御岳山への興味がさらに高まります。
お風呂は男女に分かれ一つずつ。窓が広く開放感があり、鮮やかな緑に包まれてカラダをゆっくり伸ばしたら、旅の疲れも消えていきます。
150年以上の歴史ある建物ながら、館内はとても綺麗で清潔感があります。特に改装されたお手洗いは木の温もり感が気持ちがよく、山奥の宿坊とは思えないほど快適に滞在できます。
能保利では心身ともにリフレッシュできる「ウェルネスプラン」を開催していて、ヨガと星空観察、日供祭(にっくうさい)がセットになったプランがあります。
ヨガはヨガ療法士の指導の元で、呼吸法やマインドフルネスを行います。静寂の中で行うことで自分自身と向き合い、心と身体を整えます。
御岳山は標高約900メートルの高所なので、東京都とは思えないほどきれいな星空が見られます。「星のソムリエ」と呼ばれる星空案内人が満点の星空をご案内。
日供祭は武蔵御嶽神社で行われる朝の神事で、宿泊された人だけが参加することができます。社殿に上がり一人一人お祓いをしていただきます。
ウェルネスプランは、満月の夜にあわせて開催されることも。
天空の宿坊で、非日常の体験を。カラダの内も外もリトリートするスペシャルプランです。
→開催予定は能保利オンライン予約ページをご確認ください
ご主人は武蔵御嶽神社の神主のお仕事や、講の方々へお札を届ける御師としてのお仕事、また能保利の経営者として日々忙しく飛び回っています。
そんなご主人は「日供祭で、雨上がりに神社の扉を開けると関東一円が雲海に包まれている時があります。こんな素晴らしい景色が見られるのはすごく幸せなことだと思いますね」といいます。
女将さんは地元青梅市梅郷の出身。梅郷は梅の名所だけあって、能保利で出している梅干しは女将さんの実家で漬けているものです。高校生の時に宿坊でアルバイトをしたことがきっかけでご主人とのご縁に繋がりました。山が好きで登山もよくされるそうです。
大広間にある迫力ある襖絵は、久保田家の親戚だった日本画家の岩崎巴人氏が、お二人の婚礼のお祝いにと、結婚式の前夜に書き遺してくれたもの。能保利に訪れる客人たちと久保田家を静かに見守っています。
女将さんは御岳山の良さを知ってほしいと言います。
「御岳山の良いところは自然があるのはもちろん、時間がゆっくり過ぎていること。それに住んでいる人がみんな仲良いことです。」
代々続く歴史と、肩肘張らずにリラックスした雰囲気を併せ持つ能保利。都会の喧騒から離れて身も心もリフレッシュしに来てはいかがでしょうか。
宿泊料金(1泊2食付き)
大人 ¥11,000/人(2名宿泊時)~ ※部屋・プランにより変動
小学生 大人料金の80%
幼児 (食事・布団あり)大人料金の50% (食事・布団不要)無料
団体料金
大人 10~40名 ¥8,000 / 人
子供 50名~ ¥7,500 / 人
乳幼児連れ情報
幼児用食事あり / 離乳食持ち込みOK / 子供用椅子あり
設備
Wi-fi / 湯沸かしポット / お茶セット / 冷蔵庫 / バリアフリートイレ(一部) / ホワイトボード / コピー機 / ピアノ / 大広間 / 体育館(要予約)
アメニティ
ハミガキセット / タオル / バスタオル / 浴衣 / カミソリ
浴室
シャンプー / リンス / ボディーソープ / ドライヤー
能保利 基本情報
住所 | 東京都青梅市御岳山95 |
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ケーブルカー御岳山駅から | 徒歩12分 |
電話 | 0428-78-8443 |
チェックイン | 15:00 |
チェックアウト | 10:00 |
宿泊可能人数 | 2名からOK |
現地でのお支払い | 現金 / クレジットカード / PayPay |
暖房費など | 冬季 ¥300 |
予約方法 | 能保利公式サイト |
※掲載内容は変更の可能性があります。(2021年5月現在)
執筆者:伊藤 圭
写真家、時々、ライター。国際協力NGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)でカレ
ンダーも作っています。
青森県出身で青梅市在住。「青い」所にしか住めないらしい。
長女が生まれたことをきっかけに青梅に移り住む。
青梅は東京都で最も住みやすい地域だと思っている。
青梅のカフェを紹介する「青梅カフェ」というホームページやってます。
http://ome.town/cafe/
青梅フォトカジェーの審査員もやってます。
http://ome-photocalle.fotoporvenir.com/
日本国際ボランティアセンター
https://www.ngo-jvc.net/