建物は旧館と新館があり、旧館の客室は武蔵御嶽神社の御神木「神代杉」で建てられています。旧館の奥には川合玉堂氏や吉川英治氏がいつも滞在していた部屋が「玉堂の間」「英治の間」と名付けられ、紅葉の時期には素晴らしい眺めで人気のお部屋です。
部屋数は全部で11部屋ありますが、現在は新型コロナウイルス感染対策のため、稼動するお部屋を少なくしています。
山楽荘のお風呂は「綾紘の薬湯」と銘打っていて、滝行に使われている綾紘の滝と同じ水源から引いた水に、18代目が畑で自家栽培した薬草や天然素材等をブレンドした薬湯です。
ご主人が”御岳アルプスの天然水”と呼ぶ美味しい水と、暖かな日差しでゆっくり干して乾燥させた薬草成分が溶け込んだ贅沢な湯は、滋養に溢れ、疲労回復や身体の冷えを抑える効果があります。登山のお客様からは筋肉痛にならないと評判なんだそう。
この薬草はお部屋で楽しめる薬草茶にも使われていて、お土産に販売もされていますので、忘れずに買っていきたいですね。
数々の名だたる文筆家や芸術家が懇意にしていた山楽荘には、彼らから贈られた書や画が館内のあちらこちらに飾られています。講の方からいただいた骨董品も含め、2階にはそれらを集めた小さな展示室があり、じっくり時間を掛けて楽しむことができます。
建具や調度品にこの宿坊の歴史の深さ、幽玄さが見てとれ、まるで美術館のよう。庭の花や植物、鳥や蛙の鳴き声など五感を通して心が豊かな気持ちになっていきます。
山楽荘の食事は、神と人が共に楽しめる料理として、「神人の膳(しんじんのぜん)」を提供しています。
食材へのこだわりには目を見張るものがあります。野菜は、御岳山上の畑で有機農法で作っていて、米は信者である講の方から奉納を受けています。山菜や野草は御岳山周辺に自生しているものを採取。味噌は手づくりで3年以上寝かしたもの、七味などの調味料も自家製です。
御岳山の宿坊では定番のこんにゃくのお刺身は、これが本当のこんにゃくなのかと、目からウロコとほっぺたが一緒に落ちてしまうほどの味わい。御師のご主人自ら御岳山の畑で育てたこんにゃく芋から、若女将が手作りしています。
食前酒は不老長寿のお酒といわれる「猿酒」。猿を漬けたお酒ではありませんよ。アケビやカリン、柚子、梅、アカシア、藤などの季節の実を漬け込んだ果実酒なのですが、それがどうして”猿酒”といわれ不老長寿のお酒なのかは、食事の際にご主人からおもしろいお話が聞けるかもしれませんのでお楽しみに。
日帰りのご利用もできます(前々日までの要予約)
「神人の膳」¥4,180~
本格懐石料理(宿泊時の夕食と同等)
入浴料込、滞在最大3時間
「山楽懐石」¥2,750
ライトなお食事膳
最大2時間(+¥500で入浴できます)
朝食も一品一品手を掛けられているのがわかる内容です。薬膳を取り入れたお料理で、心と体に沁みる美味しさです。
※料理内容・品数は季節に応じて日々変わります
お話をうかがったご主人は19代目。江戸時代から続く由緒正しき家系ですが、長男であるご主人は後を継ぐことについて、親から言われたことは一切なかったのだとか。その代わり”家族のよう”と話す御岳山に住む人たちから「長男だからしっかりしないといけない」と発破をかけられたそう。神主になるために國学院大学に入り、学生神職として奉職しながら実践経験を重ねました。
その後宿坊を継ぐために調理の専門学校にも通い、夫婦揃って料理人という山楽荘。季節にあわせた山の恵みを風流に味わう、極上のお料理を堪能できるお宿です。
武蔵御嶽神社の神主また御師であるご主人は、宿坊のお仕事だけではなく、伐採などの山仕事や、山道の整備、消防団も担います。御岳山や神社の仕事はもちろん、地域の生活を守るあらゆる仕事を御師の皆さんで協力して行っているため、団結力は強固です。
「みんな家族のようで、自分一人では生きていけないと感じます。私はここで生まれ育ちましたので、ここにいることが当たり前で、他に行くことは考えられませんね」とご主人は話します。
趣、歴史、芸術、自然の恵み、御岳山への愛が溢れる山楽荘を訪れてみませんか。
滝行体験
「綾紘の滝」にて滝行を体験できます。AM5:00に宿坊を出発し、徒歩40分ほどで到着です。
滝行指導料1名¥3,000(褌・白衣等 各種レンタル料込)
※1人での滝行はできません。
※12月頃~3月頃は休止しています。
※生理中は足のみの入水となります。
シンギング・ボールヒーリング
シンギング・ボールとは、ネパール仏教やチベット密教に伝わる神聖な法具です。
シンギング・ボールは、その澄んだ響きで7つのチャクラを活性化し、心身のバランスを整え、精神をより高次元に導くとされています。瞑想の際にはトランス状態に入る手助けをし、集中力をアップさせ、創造性や想像力の活性化を促してくれます。
約15分~30分程度 料金はお気持ち
朝拝
宿泊日の翌朝、宿坊内の神殿にて振魂・鎮魂・修祓などを執り行う神事体験。
¥2,000(祈祷札・色紙授与)
「山楽荘」へは、ケーブルカーを降りて徒歩約15分。
武蔵御嶽神社へ向かう参道の途中にある山楽茶屋「古狸山」の曲がり角から、参道を外れてY字路の左手の平坦な道を進み、突き当りで左へ下っていき、竹林の奥に山楽荘があります。
宿坊までの道は舗装されていますが急坂が続くので、お荷物はリュックサックなどがおススメです。
宿泊料金(1泊2食付き)
大人 ¥10,000/人(平日2名宿泊時)~※曜日・食事グレードにより変動
小学生 ¥6,050~
幼児 (食事・布団あり)¥4,510 (食事のみ)¥3,410 (布団のみ)¥2,310 (食事・布団なし)¥1,100
乳児(0~2歳未満)無料
団体利用
中学生以上¥5,500~
小学生¥4,950~
幼児¥4,400~
※体育館有(有料・要予約)
乳幼児連れ情報
離乳食持ち込みOK / 子供用椅子あり / ベビーベッドなし
設備
Wifi / 茶室 / 囲炉裏 / 温水洗浄トイレ / 保温ポット / お茶セット / 冷蔵庫(一部) / 金庫
アメニティ
ハミガキセット / カミソリ / タオル / バスタオル / 浴衣
浴室
ハンドソープ / ボディーソープ / リンスインシャンプー / ドライヤー(貸出制)
山楽荘 基本情報
住所 | 東京都青梅市御岳山108 |
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ケーブルカー御岳山駅から | 徒歩15分 |
電話 | 0428-78-8439 |
チェックイン | 14:00 |
チェックアウト | 10:00 |
宿泊可能人数 | 1名からOK |
現地でのお支払い | 現金 / PayPay |
暖房費など | 冬季1名300円(11月~4月位まで) |
予約方法 | 電話(7:00~21:00) 楽天トラベル じゃらんnet |
※掲載内容は変更の可能性があります。(2021年5月 現在)
執筆者:伊藤 圭
写真家、時々、ライター。国際協力NGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)でカレンダーも作っています。
青森県出身で青梅市在住。「青い」所にしか住めないらしい。
長女が生まれたことをきっかけに青梅に移り住む。
青梅は東京都で最も住みやすい地域だと思っている。
青梅のカフェを紹介する「青梅カフェ」というホームページやってます。
http://ome.town/cafe/
青梅フォトカジェーの審査員もやってます。
http://ome-photocalle.fotoporvenir.com/
日本国際ボランティアセンター
https://www.ngo-jvc.net/