創業170年(天保年間)青梅宿エリア屈指の老舗店。
かつて青梅縞と並ぶほどブランド品であった”青梅傘”が人気を博した江戸時代。それからずっとこの地で傘屋を営み続け、唯一残っているのが「ホテイヤ傘店」です。青梅駅前ロータリーを出た駅前通りにあります。
幼児~小学生用の傘も身長にあわせた長さが各種ずらっと並び、お洒落な日傘から晴雨兼用、超軽量傘、高級なほぐし傘まで、デパートの専門売り場をはるかに上回る数千本の品揃え。

小学生用傘 左55cm¥2,200 右58cm¥1,650

こども用 左55cm¥2,200 右50cm¥2,050

幼児用(左)50cm¥1,650、(右)40cm¥1,400

グラスファイバーで丈夫¥1,100

骨が桜色で花びらのよう/晴雨兼用¥2,980

晴雨兼用(左)¥3,024 (右)¥1,620
専門店というと、全般的に価格が高いイメージだったのですが、意外と低価格のものもたくさんありました。
一般的に安価な傘はプリントされた布で製作されていますが、布地自体に柄が織りこまれたものも高級傘として取り扱っています。

オーガンジー素材、超軽量¥7,875

オーガンジー素材¥7,900

絹100%ジャガード織¥8,000

コンパクトなプチプラ折畳み傘¥950

最軽量98gの傘もこんなに種類があります。¥1,650~¥3,980

最近は、男性用の大きめ日傘も人気急上昇

白い輪っかがあるのが蛇の目傘 ¥17,800

番傘¥17,800 日本舞踊用の舞傘もあります
ホテイヤ傘店を営むのは、ここで代々稼業を継ぐ荒井亮太郎さんご夫婦。亮太郎さんがこどもの頃まで、ホテイヤ傘店でも青梅傘を製造していたそうです。
武蔵御嶽神社の参拝客がお土産にこぞって青梅傘を買い求めたという江戸時代から、傘の柄に"名入れ"するサービスが評判だったのだとか。

いまも希望者には無料で、その場で彫ってもらえます。字体はひらがなでも漢字でもローマ字でも、なんでもOKとのこと。人気は筆記体スタイルだそうです。

彫り技術を習得したご主人に、ものの数分で彫ってもらえます
こどもの傘には名前を書くのは必須なので、このサービスは助かります!入学祝いやプレゼントにもいいですね。

布地を織りあげている高級傘の中でも別格の、”ほぐし織り傘”が奥のショーケースに鎮座します。
「ほぐし織り」とは現代の”コストダウン・効率化”とははるかに縁遠い製法。想像を絶する作業工程の多さと複雑さで織り上げていくその伝統製法は、いまや製造ができる工房や職人もわずかだという貴重な技術なのです。

プリントではなく織りあげている証拠として、傘のフチには縫い目がありません。
水墨画のような微妙なにじみ、ゆらぎが”ほぐし織り”の特徴。雨に濡れると、彩色がさらに際立つのだそうです。

ほぐし織り傘で人気のパリジェンヌ柄¥14,500

裏ほぐし織り¥12,000
布地の染め・織りから裁断・仕立てまで、何十人もの職人の手を経て完成する、それはもはや芸術品。
その匠の技をふだん使いするという、なんとも贅沢な日用品です。

”長く使ってもらえる傘”がモットーだというご主人、他店購入の傘も修理OKとのこと(500円~修繕内容による)。
「傘が長持ちするしまい方、知ってる?」と、傘の正しい"しまい方"をレクチャーしてくださいました。
■ダメな例

「まずは皆さん、こうやってヒダをまとめながら柄をクルクルするよね」

「でも見て、そうするとこんな感じになる。これはどこかの骨がねじれてしまっているんだよ」
■正しいしまい方

「まず露先のところで、キレイにまとめて握る」

「そのままもう片方の手で、クルクルと巻いていく。優しくね」

「ホラ、きれいに骨がそろっているでしょ。これが傘にとって負担のないしまい方。」
長く使うためには、ちょっとの知識と心遣い。
今はすぐに買い替えることができて古いものは捨てていく時代ですが、ひとつのものを修繕しながら"長く"使い続けることを、そっと気づかせてくれるお店でした。


青梅駅界隈には創業100年以上の老舗が多く残っていますが、その中でも別格の、江戸時代から続くホテイヤさん。亮太郎さんの代でおしまいになることを伺いましたが、少しでも長くお店を開いてほしいとひそかに願うばかりです。
ホテイヤ傘店
電話: 0428-22-3214
住所: 青梅市本町142
営業時間:9:30-19:00
定休日: 月曜
駐車場: 提携駐車場をご利用ください(青梅駅前駐車場・本町駐車場・住江町駐車場)
最寄駅: 青梅駅から徒歩2分