2024年にリニューアルオープンしたうつぼや荘。御岳山の山頂付近にある宿坊の一つです。カフェも併設して、新たなお茶屋さんとして登山客たちに人気スポットになっています。
店舗情報 | |||
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電話 | 0428-78-8462 | ||
住所 | 東京都青梅市御岳山50 | ||
アクセス | ケーブルカー御岳山駅から徒歩9分 | ||
お支払い | 現金/クレジットカード/PayPay | ||
チェックイン | 15:00-17:00(素泊まり、朝食のみの場合は -19:00) | ||
チェックアウト | 10:00 | ||
HP | https://mitakesan-utuboyasou.com/ |

御岳山・天空の”御師集落”に泊まる
古くから霊山として崇められてきた”御岳山”
その標高800mの頂上付近には、下界からはるかに隔離された天空の集落があります。
ここは江戸時代から先祖代々、山頂の武蔵御嶽神社に仕える家系が暮らす『御師(おし)集落』
江戸時代に、伊勢や熊野など日本全国で活躍したという御師の家系がいまも継がれているのはわずかで、このように集落全体で残っているのは全国でもここ御岳山しかない、という大変貴重な集落です。

ケーブルカーで標高800mまで登り(もしくは自力で山道を歩き)、さらに御岳山の頂上を目指していくと、民家が立ち並ぶ宿坊集落があります。その集落に入ってすぐの場所にある宿坊・うつぼや荘が、2024年夏にリニューアルオープンしました。
東京・多摩産材の総ヒノキ造り
新たに生まれ変わった宿坊は、純国産・地元周辺の山々から伐り出された多摩産材のみで建てられました。地元の材木店による匠の技が光る総ヒノキ造り。御岳山宿坊の中でも贅沢な造りです。
洗練された宿の佇まいと、玄関に入った瞬間に体を包むヒノキの香りに旅の疲れが癒されます。


御嶽神社の御霊を祀る「神前の間」では、厳かな雰囲気の中でご祈祷を受けられます。
御嶽神社の「おいぬ様信仰」にちなんだ凛々しいオオカミの版画が飾られ、宿坊ならではの神聖な雰囲気を醸し出しています。


靭矢家に代々伝わる古い天狗のお面も、宿坊リニューアルを機に生まれ変わりました。
御岳山に住むうるし職人が、見事に修復しています。


ほぼ1日1組限定、贅沢すぎる貸し切りお宿!
客室は2部屋。5名まで宿泊可能な広めの和洋室か、1-2名用の洋室が、完全予約制で利用できます。
うつぼや荘のホームページには1日2組限定と書かれてあり、それだけでも贅沢な印象を受けますが、「お風呂もお食事も気兼ねなくのびのびと過ごしていただきたい」という思いから、実際のところ1日1組だけしか取っていないことがほとんどとのこと!しかも、おひとり様のご予約だとしても。
こうした気遣いに、うつぼや荘の皆さんのおもてなしの心が溢れています。




浴室にもヒノキの芳香が漂って、数人で入っても足を伸ばせる広々お風呂。
1日1組なので入浴の時間を気にすることなく、何度でもご自分のペースでゆったりと過ごせます。



地元青梅のタオルブランドHotman製のタオルは、うつぼや荘のロゴ入り。
なんとフェイスタオルは、お泊りの記念にお持ち帰りができます!
タオルのカラーは定期的に変えていくそうなので、泊まる度にいろいろカラーが集まるのが楽しみですね。




霊山・御嶽山の恵みをいただく”御師料理”
宿坊ならではの”御師料理”とは、
講(こう・信者)の方々から奉納された供物を、神様と一緒にいただく祝膳のこと。
武蔵御嶽神社の神々に献上されたお供えを、御師と女将がふるまい、天空の宿坊でいただく特別な御膳。四季折々の山の恵みを贅沢に味わいます。
御岳山の山上に各宿坊の畑があり、そこで御師さん自らが手塩にかけて育てた無農薬野菜、じゃがいも、山芋、玉ねぎ、きゅうり、春菊、白菜、大根、こんにゃく芋などをお食事に供しています。


必見なのは女将さんが仕込む手作りこんにゃく!
御岳山の土で育ったこんにゃく芋を、生芋のまますりおろして練り上げる特別な製法で、とろけるような舌触りです。
渓谷で釣れた魚や奥多摩のヤマメなど山ならではの美食も堪能できます。
悠久の時を遡るような、格式高いひとときをぜひ味わってください。
ひと休みにちょうど良い!カフェ「気まぐれぼ~や」
うつぼや荘の入口では、御師の息子さんが中心になって営むカフェ『気まぐれぼ~や』が、土日を中心に気まぐれオープンしています。
奥多摩産のクラフトビール『VERTERE』も注文でき、観光客の喉を潤しています。




家族ぐるみで営んでゆく宿坊「うつぼや荘」
“うつぼや”とは屋号ではなく正式な姓であり、漢字で「靭矢」と書く珍しい名字です。
「靭」とは矢をいれる道具で、武士の由縁を思わせます。うつぼや荘のご近所にある馬場家も、武田信玄の家臣の末裔と云われています。靱矢家は現在のご主人で14、15代目。そのはじまりは江戸時代まで遡ることのできる家系です。

元の宿坊は明治に建てられた築120年を超える日本家屋でしたが、老朽化に伴い2023年3月より建て直しを開始。
しかしこの場所は、一般道が通っていない標高800m超えの山の上。
まず工事が始まる前から想像以上のさまざまな難局が立ちはだかり、建築基準法を満たすために幾度となく設計の見直しや許可申請に数年かかったとか。
大型の重機は山上まで上がってこれないので、人力でセメントを捏ねたり、狭い山道での建築資材の運搬など多くの困難を乗り越え、 ついに2024年8月にリニューアルオープンを迎えました。


うつぼや荘の魅力は、家族ぐるみの温かなおもてなしにも。
御師のご主人と女将さんが主に宿泊業務全般を担い、一緒に暮らす息子さん夫婦もお仕事のかたわらポスターや看板、撮影・SNSなど、宿坊の広報やブランディングをサポート。週末は家族総出で宿坊とカフェを切り盛りします。
息子さん達は子育て中なので、お子さま連れ用グッズも充実していて、小さなお子さん連れファミリーも気兼ねなくくつろげるお宿です。


現在、御岳山では約25軒の宿坊が、それぞれの特色を活かして観光客をもてなしています。
神主としての務めを果たしながら、消防団や畑作業など、地域の営みを守り伝える生活そのものが、下界から訪れる我々の目には神聖な営みに映ります。
御岳山を訪れる際は、ぜひ宿坊に足を運び、歴史と自然、そして神々の物語に耳を傾けてみてください。
ここでしか味わえない、心に残る特別な体験となることでしょう。
うつぼや荘 宿泊情報
乳幼児連れ情報
離乳食持ち込みOK / 子供用椅子・ベビーバウンサーなどベビーグッズあり
子供料金:3才以下=0%、3~6才=60%、7~12才=80%
設備
大広間 / Wi-fi / 保温ポット / お茶セット / アイロン(貸出) / DVDデッキ(貸出) / 宅配便
アメニティ
ハミガキセット / 化粧水 / 乳液 / カミソリ / タオル / バスタオル / 作務衣
浴室
ボディーソープ / シャンプー / コンディショナー / ドライヤー



2023年5月、青梅の里山の美しさに魅せられて、中野区から移住してきました。
2024年1月、壽ぎ(ことほぎ)クリエイトを開業。
山に囲まれて映像や3D制作をする傍ら、フルーツシロップやジャム作りを楽しんでいます。
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OMEGOCOTI代表 結婚・出産をきっかけに地元青梅に戻ってきた一児の母。
それまで地元に興味なかった人間でしたが、戻ってきてみたら青梅のポテンシャルがもの凄いことに驚き、もっと認知されるように地域のための情報流通が必要だ!とOMEGOCOTIを立ち上げ。こんなことなら独身時代にもっと広告業の仕事に関わっておけばよかった…と知識も経験もないなか手探りで運営しています。