店名もその佇まいも、品格があって印象的。ひとめ外観を見ただけで、惹きつけられてしまう不思議な魅力をもつ場所、「Dining&Gallery繭蔵」。
平日の12時ぴったりに行ってもすでに満席という日も多いほど、地元の人のみならず多くの人に愛されています。2000年の開業からもうすぐ20年、いまや青梅を代表する風格です。
東青梅駅から青梅駅へ向かう旧青梅街道を、左へ一本路地裏へ入ったところに繭蔵はあります。すぐ隣に広いコインパーキングもあり利用者は2時間無料なので、クルマでも立ち寄りやすいです。
建物は100年前に建てられた重厚な大谷石造りで、国有形文化財として登録されています。かつて青梅で織物工業が栄えた時代、青梅夜具地の蔵として使われていたところをリノベーションして、1階がDining、2階はギャラリーとなっています。
店の前には緑あふれるガーデンテラスとアプローチ。オープン当時はここには何もなく、スタッフの手でイチからつくりあげたというから驚きです。
店内へ入ると、心地よいジャズが流れるモダンな空間。
白い塗り壁に太い梁。壁の印象的なオブジェは、オープン当時アルバイトで来ていた、近くの明星大の美術学生の作品です。
【Gallary Space】
2階のギャラリーは、月に1、2回展示が変わっていきます。なかには遠くからわざわざ来て、展示会を開催する方もいるのだそうです。
夏休みとクリスマスの時期、また展示のあいまにはこのようにハンモックスペースになり、素敵な絵本もいくつも置かれていて、こどもも楽しい場所になります。
【てしごと職人が集うCRAFT shop】
1階レジ横スペースは、てしごと作家さん達のギャラリー販売をしています。繭蔵オリジナルのお茶、スタッフでもある手刺繍作家の作品や、スタッフ手づくりの石鹸、地元有機農家さんの朝採れ野菜などもあります。
季節ごとの素材を丁寧に生かすことにこだわり、食材もできるかぎり顔のみえる地元の有機農家さんから直接手にいれています。月ごとに内容が変わるので、月イチで通っていらっしゃる方も多いのだとか。
菜食プレートの豆腐のフライは食べ応えがあり、ニンジンのレモングラッセはなんとも爽やかな甘さ。
白神こだま酵母や国産小麦を使って毎朝ここで焼き上げているという天然酵母パンがまた香ばしくて味わい深いんです!
繭膳は旬の野菜を味わいつくす、ごちそうお膳。
塩麹鶏ハムはしっとり、冬瓜の海老オクラあんかけはとろりと味がしみわたり、毎年この冬瓜を目当てに来る人もいるとのこと。
キッチンスタッフと一緒にレシピを考案している店長の兒嶋さんは「プロの料理人でもない私たちにできることは、地の食材で愛情込めてつくることだけ」と控えめに語りますが、毎月のメニュー開発、斬新な創作和食のラインナップをみると料理にかける熱意と追究心は本物だと感じます。
ほぼ毎日お店に立っているそうですが、「おもしろいんですよ、料理は」と楽しくて仕方ないといった笑顔の兒嶋さん。まだまだ湧き出るアイデアが楽しみです。
繭蔵のオーナーの庭崎さんの本職は意外にもグラフィックデザイナー。西多摩の自然に惹かれて、この辺りのタウン誌を制作していたときに、この蔵に出会いひとめぼれをして青梅に移住しました。
当初は個人事務所として借りるつもりで、持ち主の織物工業組合に直談判。中に入ってみるとかなり広い空間に驚き、ここは青梅の財産だから大勢の人に来てもらう場所にしなくてはならないと構想を変更。当時の理事長(当時Hotman会長)がそれに共感し、じっくり時間をかけて繭蔵として誕生します。
20年前から理事長と庭崎さんが構想していた、繭蔵を始めとする織物工業組合の建物群を多くの人が訪れる場所にリノベーションするプロジェクトは、2016年から織区(ORIC123)として実を結び、様々な織物作家の工房やイベント施設として生まれ変わっています。
ここにいればいろんな方が訪れてくれて、その出会いが本当に楽しいとお二人はいいます。
スタッフの中には10年以上勤めている人もいるほど、家族のようなつきあいになっていて、それぞれスタッフが成長していく姿を眺めているのがものすごく楽しいのだとか。
飲食店経営など、繭蔵に出会うまでは考えてもいなかったという庭崎さん。すべてのことに出会いがなければ、いまここになかったことばかりだといいます。
もともと庭崎さんも兒嶋さんも青梅には縁もゆかりもなかった人。それぞれが西多摩の自然に惹かれて、ここ繭蔵で20年近く紡いできた時間がこの場所の温かさをつくっています。
蔵では様々なLIVEイベントも開催されています。
繭蔵は大谷石という音響効果が高くホールなどにも使われる石壁であり、演奏家たちの人気も高いそうです。実は大谷石は防臭効果・食物の熟成効果・マイナスイオン放出が認められるなどの数々の効能をもつのだとか。
ぜひ一度、上質な時間を味わいに訪れてみてください
繭蔵は披露宴や二次会、長寿のお祝いなどハレの席にもふさわしい場所。職場の歓送迎会や忘年会などにもよく使われているそうです。
またお弁当(10名以上~OK)のお届けも。¥1,000、¥1,200、¥2,500(お子様弁当は¥600)などのラインナップがあります。お問合せはお店に直接お電話ください。(ご注文は前日の18時まで)
開業からずっと50代以上のお客様がほとんどだったのが、ここ数年で若者グループやカップルも増えてきたとか。
12~14時がいつも混みあっています。11時開店なので早めに着くか、予約しておくのが良さそうです。
15時のティータイム頃がお店も落ち着く時間帯なので、ぜひ自慢のスイーツを目当てに訪れるのもおすすめです。
日常の中の”贅沢な時間”を、繭蔵でお楽しみください。
※表示価格はすべて税込価格です
Dining&Gallery 繭蔵
電話: 0428-21-7291
住所: 東京都青梅市西分町3-127
営業時間:11:00-17:00 ディナーはご予約のみの営業
定休日: 火曜定休(夏季・冬季休業日あり)
席数: 50席
駐車場: あり
店横に2台+隣接コインパーキング有(2時間まで無料)
最寄駅: 東青梅駅、青梅駅からともに徒歩10分程度
WEB: http://www.mayugura.com